私の勤務するトゥラマ・パシフィック社のオフィスは、ラロトンガ空港に面していることは何度かお話ししました。
日々飛び立つ飛行機を眺めながら、私たちはオフィスワークをし、また、クック諸島にご到着するお客様のお出迎え等をしています。
その反対側、道路に面する側には、平家で白壁の小さな建物があります。
毎朝国旗が掲げられ、正面にはParliament of the Cook Islands …. と記載してあります。
はい、これはクック諸島の国会議事堂です。
厳重なフェンスもなく、警備員も立っていません。
普通に誰でも敷地に入り、庭を通り過ぎて、反対側にあるビーチに抜けることができる空間。
なんとも、のどかで安全な国、というのが一目でご納得頂けると思います。
そして、今日また新たにびっくりしたことがあります。
なんと、クック諸島では9ヶ月間国会が開催されていないということです。
国会の召集は 首相の一令によって行われるのだろうけれど、それが9ヶ月間ない、ってことのようです。
「議員たちは何もしないで、9ヶ月間給料をもらっているのさ、そんな良い仕事があるのはクックだけさ。わっはっは」
とは、同僚の一人がジョーク交じりで語る。
「毎朝車が出入りしているし、電気もついているじゃない?」
「それは、ケアテイカーたち、建物の管理人達が出勤しているだけだよ。
肝心な議員達は、一年間に恐らく5日のみ働くのではないかな。
僕たちは1週間に5日働くけどね」
9ヶ月間も国の重要機関が動いていない、イコール=その必要がない?平和過ぎで議題もなければ、国が抱える課題もない???
いやいや、実はそうでもないようです。
奥は深いみたいです。
先日島の巡回バスに乗り、この建物の前を通り過ぎた時、
観光ガイドも兼ねている陽気な運転手さんが、
「えーっと、いま左に見える建物はHouse of ParLIAment、Liar = 嘘つきの人たちの建物です」
と、冗談を言っていました。
聞いた時にはあまり深く考えなかったけれど、
この現状を知ったいまは、あれは、庶民の皮肉、辛口ジョークだった気がします。
4ヶ月も住んでいると、
いろいろな事情が少し垣間見れるようになってきました。
Stay tuned!