「まぐろの漁獲量を15%削減」
と、8月上旬、日本の水産省が発表したことをニュースで知りました。
日本での反応はどうだったのでしょうか?
以下、NHKニュースから引用
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資源の減少が懸念されている太平洋クロマグロをめぐり、水産庁は小型のクロマグロの漁獲量を、およそ15%削減する新たな漁獲枠を示した。 重さ30kg未満の小型のクロマグロについて、この1年間の日本の漁獲量は、国際的合意に基づく枠をオーバーする事態となっている。 このため水産庁は、都内で開かれた漁業関係者との会合で、これまでに比べ15%減となる3,423.5トンとする、新たな漁獲枠を示した。 具体的には、過去1年間の沿岸漁業で枠を超えてしまった長崎県や富山県など、25の道府県で漁獲枠が減らされることになる。 これに対し漁業関係者からは、「漁獲規制を緩めてほしい」、「これ以上我慢できない、廃業してしまう」といった、厳しい声が相次いだ。
引用元:http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/274481.html
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実は、このニュースの源は我がクック諸島だったと私は推測します。
8月9日から17日まで
WCPFCとは、Western and Central Pacific Fisheries Commissionの略。
高度に移動する魚介類(マグロ、カツオ、カジキ類)の保全と管理のための決定を下すのを支援するための国際機関です。
40ヵ国以上の政府機関、団体、合計200名以上の参加にて様々な研究発表、議論、意見交換が行われました。
日本は世界に知られた世界最大のまぐろの消費国。
クック諸島の人々もマグロのSASHIMI大好きです。
甘辛いソースにつけて食べたり、ココナッツミルクとライムにあえて食べたりと、
フレッシュトゥナはみんなをハッピーにするごちそうの1つです。
でも、世界的に絶滅が危惧されるマグロ。
人間が便宜的に決めた「国境」を関係なく自由に泳ぎ回り、成長していく魚たちをしっかりと各国が管理し、
みなの合意の元で守っていこう、という国際的な話し合いをしているといことです。
豪州、カナダ、中国、クック諸島、EU、ミクロネシア、フィジー、フランス、日本、キリバス、韓国、マーシャル、ナウル、ニュージーランド、ニウエ、パプアニューギニア、フィリピン、サモア、ソロモン、トンガ、ツバル、バヌアツ、パラオ、米国、台湾(漁業主体として参加)、インドネシア。
アメリカ、日本、中国のような面積も広い、そして経済的にも大国、そして
クック諸島、ニウエ、ツバル、ナウルなどの世界最小国のひとつである国々までがメンバーに含まれています。
それぞれの国の研究者、政府関係者、NGO団体たちが様々な視点から
人類皆の共有資源であるまぐろなどの魚の将来をみなで模索しています。
大国の利益主義と、小国の願い
国家としての立場と、地元の漁師さんたちとのまさつ、、、
その議論は複雑なことが容易に想像できます。
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)が、管轄する海はとても広大。
太平洋の西側半分で、こんな感じです↓
ホスト国であるクック諸島は、その特権を最大限利用し
先日制定された、国のすべての排他的経済水域(EEZ)を海洋保護区とするマラエモアナについて各国に紹介し、
世界の海洋自然保全のために小国ながら取り組んでいることをアピールしたと言われます。
人口僅か2万人の小国だからって、怖気づかず、
美しい地球を保ち、次世代に引き継ぐために大国を相手に立派に発言し、
確実に「環境に優しいエコの国」として歩んでいくクック諸島。
毎日ラロトンガ島の美しい空気を吸い、輝くラグーンに癒されながらの会議日程となり
ビル群に囲まれた会議室に詰め込みとなる通常の都会の会議とは異なるので
より自然の尊さを感じていただけたのでは、と感じています。
クック諸島の思いが伝わり、
毎年12月に行われる、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の本会議の議論の方向性、決断に
少しでもクック諸島の世界の海を守っていこうという、マラエモアナの影響が届くことを願っています。