海洋王国のクック諸島。
陸地は0.0000001%
その他、99.99%は海の国。
南太平洋の地図の、真ん中あたりにゴマ粒のようなに点在する島の一つです。
これは、古代ポリネシア人の帆船によるマイグレーションルートを示す地図。
360度海に囲まれながらも、見えない島を目指して、星を頼りに海を勇敢に進んでいった史実は想像するだけでもすごすぎます。
本題に入りますが、
クック諸島は15の島々からなり、南方クック諸島と、北方クック諸島に分かれます。
首都の置かれるラロトンガ島から最北のペンリン島までは約1,400km
小さなプロペラ機が着陸できる空港がありますが、
片道料金は約2,500ニュージーランドドルというとても気軽に手が出せない料金。
そしてスケジュールも不定期で、需要があるときのみ飛ばす、という状況。
不定期に貨物船が物資を届け島の人たちのライフラインとなってはいますが、
海の事情、天候、そして決して新しくないのに一生懸命走り続ける約3船のコンディションもあり、
”いつ船が到着するかは常にいつも分からない”というとても不安定な状況が
21世紀の今も続いています。
だからこそ、
世界からは隔離されたような、本来の伝統的な島の生活が今でも色濃く残っているのかもしれません。
ぜひ、私も一度で良いから訪問してみたいものです。
「夫の故郷である、パルマストーン島を訪問したの。
ラロトンガ島から船で約 5日間。
到着して、島の生活を楽しんでいたのは良いものの、次の船がいつ来るか全く分からない。
結局私は半年間、単に次の船を待つという理由で
島民100人余りの島で過ごすことになったわ… …」
これ、数年前の話です。
こんな状況がいまでも続いているクック諸島の海運事情です。
そんな風に、
私も南太平洋の小さな島に取り残されて冒険してみたい!とは頭の隅で思うものの、
現実の世界に戻ってくると、職がなくなっている等々、
多々考えるとやっぱりハードルが高いなあ、リスクが多すぎて不可能かなあなんて思ってしまいます。
そんな、クック諸島の小さな島々、
空港がない島もあり、また航空運賃も高すぎるということから
船のアクセスが大変重要であり、とても必要とされています。
地元の人々にとっては運航が不安定でも、人および物質輸送のために船がないととても困る。
生活もできない。
そして、
世界からクック諸島を訪問する観光客にとっても、
高い航空運賃&不安定すぎるスケジュールのため、首都のラロトンガ島に加えて
ラグーンが美しいアイツタキ島、鳥の島と呼ばれるアチウ島より先に足を延ばすことがとても困難な状況となっています。
以下の黄色のラインはエアーラロトンガのプロペラ機が就航しているルート&島です。
そんな、不安定なクック諸島の海の交通事情を大改善しようと、
地元の船会社Taio Shippingが昨年一隻の船を購入しました。
船の名前はMsグリナ Ms Grinna
その船がクック諸島の未来を担うために
デンマークを先週出発し、現在クック諸島を目指して地球半周の長い航海をしています。
貨物を運ぶだけではなく
宿泊もできるキャビンが整えらていることが利点のMs グリナは
地元の人々、及び観光客の利用も期待され、島々の移動の便を確実に向上することが期待されています。
シングルキャビン10室、シェアのキャビン5ベッド。
素朴な施設だけれども、横になりながら船の旅ができるということ
そしてMsグリナが定期的スケジュールで島々を結ぶ運行することが実現したら
クック諸島の海運事情にとっては画期的なことだと思います。
大きな期待がです!
そしてもうひとつ、すごいことが!
このMsグリナには、なんと日本人女性クルーなおこさんが乗船しています。
昨年クック諸島で知り合ってから、仲良くしているなおこさん。
長くて大変な船旅だけれども、ぜひ、楽しみながら無事にクック諸島までたどり着いてくださいね。
まっすぐクック諸島と目指すのではなく各地に寄港し、
また修理をしながらの旅となるため、7月下旬ごろの到着を目指しているとのこと。
Msグリナのクルーは、合計6名。
ノルウェー人キャプテン、クック諸島人2名、日本人1名、ノルウェー人1名、スペイン人1名
4月14日にデンマークを出発して、いまクック諸島に向けて航海をしています。
アバルア港での感動の再会を楽しみに、わくわくどきどきしながら、待っています!