ラロトンガ島の歴史を感じる見所の一つ、カヌーの出発記念碑。
英語では、7th canoe departure pointという名称です。
ここで少し歴史を遡ります。
1350年頃に新たな豊かな土地を目指して、アオテオラ(ニュージーランド)に向けて
マオリの大移動が起こったと伝わります。
ここ、ラロトンガ島南東、アバナ港より出発したカヌーを記念した碑となります。
ラロトンガに伝わる伝承では、
1350年にここから10隻のカヌーが出発し、そのうち7隻のカヌーが長旅ののち
無事にニュージーランドに到着し、NZマオリの祖先となったと伝わります。
風が頼りのカヌーに乗り、星を頼りにして進み約3000kmのかなたに位置するニュージーランド。
約3週間の海の旅、ここラロトンガからニュージーランド間には島は一つもありません。
一度出発したら、前に進むしかない。食べ物、飲み水がなくなっても途中補給はできません。
これはその7隻を称える記念碑です。
7つの石は、7隻のカヌー(帆船)と讃え、横には伝承されているカヌーの名前が記されています。
その時のカヌーの名前、この石碑に記されている名前はNZでトライブ、部族の名前として
今でもニュージーランドの人々が自分たちのルーツをたどる時に参照される、祖先の名称です。
ポリネシア人は私たちと同じモンゴロイドというのはあまり知られていないと思います。
島の赤ちゃんには蒙古斑があります。
ポリネシアの祖先は台湾から船に乗り海に漕ぎだしました。
ミクロネシア、メラネシアと最初は島が目視できる距離への航海、それが発展し
星を頼りに海を何日も海を渡るスタナビゲーションという技術を身につけ、
数百キロ、そして千キロ離れた島を目指し、
どんどん太平洋の新しい島々へ移住して行きました。
タヒチのマルケサス島から3方向に分かれ、北はハワイ、東はイースター島、 そして「南」を目指した人々がクック諸島を経由して、ニュージーランドに到達しました。
アフリカからスタートした人類の旅、アジア大陸から海に漕ぎ出し、
太平洋の南の果ての島、ラロトンガ島に到着。
ここからニュージーランドまでの帆船の旅が人類最後の大冒険だったのではないでしょうか。
その舞台がまさにラロトンガ島南東のアバナ港です。
ロマンがあるストーリーですね。
1773年にキャプテンクックがクック諸島の島々を”確認”した300年以上前に、 すでにポリネシア人たちは、太平洋の島々を把握し、巧みに帆船で移動していたのです。
ポリネシア人!すごい人々だったのではないでしょうか。
そんなマオリ族、いや私たちと同じモンゴロイドのポリネシア人たちの
歴史とロマンを潮風と絶景と共に感じるために
アバナにあるカヌーの出発記念碑にぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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