あっという間の2週間が終わり、とうとう閉会式の日となりました。
この2週間、離島からアスリートたちがラロトンガ島に集まり、
ラロトンガ島住民の誰もかが、何らかの形で関わったであろうクックアイランズゲーム。
アスリート、コーチ、審判、応援団、観戦者の一人、もしくはチームへの差し入れ炊き出し班、などなど。
人々の朝の挨拶そして話題は常に、昨日の試合の結果はどうだったか。
どのスポーツ試合で、どの島チームがリードしているのか。
誰が活躍したのか。誰がどの島チームに参加しているのか。
どの島、誰がメダルを獲得したのか。
今日の種目はどこで何時?見所は?
ここはゆる〜いアイランド気分、いや国家スポーツイベントと言うことで
クックアイランズゲームに関わっていることは仕事を休む口実にもなるみたい(?!?)
筋肉痛で身体が動かないよ。
昨晩遅くまで試合があったから、今朝は出勤難しいわ。
今日、息子の試合があるから手伝わないと。
コーチをしているから、練習に行かないと。
決勝戦があるから、少し仕事を抜けて応援してくるね
などなど、理由を挙げたらキリがない。
クックアイランズゲームは、学校の学期休みの2週間休みに合わせて行われました。
子どもたちが学業に影響されず思いっきり関わることができるように、と。
子どもがスポーツに熱中して、それに大人も便乗する。
この2週間は、皆、仕事そっちのけで本気でスポーツ楽しんでいました。
まあ、国家行事だからしょうがないのかな?!?
今の、コロナウィルスの影響で観光業関係者たちの仕事が忙しくなく、
各島のチームメンバーとして大々的に関わることができたというのも
多くの参加者が可能で、盛り上がった一要因だと思います。
土曜日のマーケット会場であるマーケットにボクシングのリングが設立され
びっくりするほど観客が集まっていました。
スポーツ観戦、そしておしゃべりに花を咲かせる憩いの場の役割をしているように感じました。
陸上競技、たくさんの種目があり選手も多いことから、応援団も多し。
大会日は生憎の冷たい雨の日。雨に濡れ、南国ながらに凍えるような寒さの中、雨の様子を見ながら
途切れ途切れの大会進行となったにも関わらず、観客席は最後まで満員で埋まっていました。
島の各地で日々行われるスポーツイベント。
アスリートも、観客たちも会場をはしごして忙しくクックアイランズゲームに関わった2週間。
各試合を精一杯頑張り、心から楽しむのはもちろんのこと、
でもやはり皆の関心は誰が金メダルを獲得したのか。
そして総合成績、どの島がリードしているのか、でした。
閉会式では、選手たちが各島毎に入場行進。
島旗を誇らしげに抱えた、すっかり見慣れた島カラーのユニフォームを着て。
総合チーム優勝は、マウケ島チームになりました。
開会式があまりにも成功し、
エンターテイメントの演技も素晴らしく、島の誰もかが口々に絶賛していた。
実は、開会式が終わった後に、急遽、「では、閉会式も何か演技を披露して欲しい」と、
演出家のジャッキーさんに連絡があったとのこと。
練習期間2週間弱。
本番は既に目の前。
計画性がないこと、突然に何かが決まる、直前の無理なお願い、なんともクック諸島らしいです。
そこで、急遽閉会式ダンスチームの募集がありました。
「踊りたい人なら誰でも参加可能。パッションがあれば年齢、経験関係なし。毎晩練習に来れる人」
私と娘も参加させてもらい、毎晩7時から9時のダンスプラクティスに通いました。
曲はクック諸島を団結させる願いを込めて、皆が知っているTe Ao Nei。
We are the worldのクック諸島マオリ語版です。
最終的には120名余が集い、部活のように心を一つにして毎晩楽しく踊り練習しました。
小学生から、リタイヤ組まで。
正にチームの顔ぶれを見たら、we are the worldと言う感じです。
本番の衣装は、自分の好きなアイランドドレス&花冠エイカツ。
ネックレスなどの装飾品は一切無し。
ここまでの異なる色、デザインのアイランドドレスがあるのか、と感激。
手作りの生花のエイカツ。島にある限られた花や葉で作っているはずなのに、誰として同じデザインがない。
人々の個性、アートスキル、感性の豊かさ、表現力に改めて感激し、
クック諸島のパワーを感じたイベントでした。
伝統文化が根付き今も楽しみながら日常に取り入れている豊かな暮らし
人々のあついエネルギー、
豊かで弾けるような個性、
私の好きなクック諸島を全身に感じ、このダンスグループに加えてもらうことができたことに感謝。
ジャッキーさん仲間に加えてくれてありがとう。
閉会式の演技ビデオは以下;
世界中から届くコロナウィルスのネガティブなニュース。
ソーシャルディスタンスを気にする必要がない、島でこの大きなスポーツイベントができることへの感謝。
世界とつながることができないから、
国内の人々で一つとなり思いっきりスポーツを楽しもう、と言う試みは大成功。
世界を取り巻くこの不安な時期に、
汗を流し、心も身体も健康に保つのは最高の処方箋ではないでしょうか。
あまりにも評判が良く、大成功となったこのイベントは既に2年後にも行われることが決まりました。
閉会式では、聖火が消され、この2週間の健闘を皆で称えあいました。
最後の花火の打ち上げ、クック諸島にしたらこれは大イベント。
皆の動きがパッと止まり、夜空に上がる花火を見上げる。
クックアイランズゲームは真に国を一つにまとめることができた
素晴らしいイベントだったと心から感じました。
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