クック諸島の女性たちの正装に欠かすことのできないリトハット。
日曜日の教会は、まるでファションショー。
白のドレスに合わせはリトハットは本当に優雅で見惚れてしまいます。
このリトハット、実は島の女性たちの手作りです。
若いココナッツの葉を木に登り切り倒し、
中心の硬い繊維を剥がして、海水て煮て、天日干しにしてできる繊維をリトを呼びます。
この帽子は、この繊維リトを編んで作る島の伝統工芸品、いや芸術品です。
黒蝶貝をいれて編み込んだり、
お花をつけたり、ツバをフサフサに長く優雅に仕上げたり、デザインに制限はありません。
ナチュラルな色は、上記のようなオフホワイトだけれど、
色で染めて個性を出して、楽しむことも可能です。
このリトハットを編むのは、実はラロトンガ島から1,365 km離れた、
クック諸島最北の島、ペンリン島。
島民220人あまりの小さな島です。
マンタが口を開けたような形をした環礁は、223 km²で南太平洋の中でも、
もっとも大きいラグーンの一つということ。
第二次世界大戦時にアメリカ軍が滑走路を建設したことから
今でも飛行場はありますが、定期便はなく高額なチャーター機のみが行き来しています。
まさに、海の孤島!
いつか、行ってみたいです。
19世紀に隣国である、キリバスのギルバート諸島に出かけていったペンリン男性たちが
リトハットを編む技術を持った女性たちと結婚して、
ペンリン島に戻って来たことからリトを編む技術がクック諸島に始まったということです。
話はリトハットに戻ります。
繊維リトを取ることができるのは、
特定の椰子の木ということで、その椰子の木は残念ながらラロトンガ島にはないとのこと。
ペンリン島で取れて加工された繊維リトは、ラロトンガ島在住のペンリン出身女性たちの手により
日々せっせと手編みで見事な工芸品に加工されています。
ペンリン島の人々の大切な現金収入、そして、輸出品です。
リトを使った、
イヤリング、ネックレスもこのように美しい工芸品。
この大きなイヤリングをかけるだけで、気分は一気にあいランダーガールとなり、私もお気に入りです。
ネックレスは、今でもポリネシアンダンサーたちには欠かせない装飾品です。
繊維一歩一歩、手で剥ぎ、編まれているということを考えるとありがた味が増しますね。
土曜日のマーケットでは、このリト製品が並んでいるので、
ぜひペンリン島の景色、
そして椰子の木を登り繊維リトを取るために椰子の葉を鉈で切り落とす...
そんな女性たちの姿を思い浮かべながらぜひショッピングしてみてくださいね。
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